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「歩」と「正」と「政治」


向井ひとみ(TOSS中学Kサークル)

漢字文化を使って「政治」の語源を考える、授業の合間の小話を紹介する。(「漢字文化」をこう教える 中学校 明治図書P14/15 山田高広氏実践の一部追試)


社会科の授業の中で、短時間で取り上げられる授業にするため、山田氏の授業では、時間調整の問題として出されていた三と四をメインに取り上げた。

発問1 「歩」と「正」。この二つの漢字のなかには、同じ漢字があります。何ですか。

正解は、「止」

説明1 「止」という字は、地面にある足跡からできました。一番下の「一」は、地面を表しています。

黒板に絵を書く。地面をあらわす「一」は、わかりやすいようにチョークの色を変える。
上記書籍P16山田氏の絵を参照。

発問2 「歩」という字は、三千年前、こんな字でした。何と何が組み合わさってできたのですか?

黒板に絵を書く。とまどっているようなら「さっき同じような物が出たね」とヒントを与える。
上記書籍P17山田氏の絵を参照。
二つの足跡である。

発問3 「正」という字は、「止」に「一」が組合わさった字です。下の「一」は、「止」の「一」ですから地面をあらわします。
     では、上の「一」は何を表すと考えられますか。

「下が地面なら上は、天」「ゴール」が出る。たくさんの意見は出ない。

説明1 正解は、征服する目標の「国」を表すのです。
     古代中国では、戦いで勝って征服した国が「正しい」となったのです。
     それが、時代が経つに従って変化し「間違いがない」「狂いがない」ことを「正しい」と言うようになったのです。 

指示1 「正」を使った漢字を1つあげなさい。

整、政、征

発問4 「征」は、歴史にもたくさん出てきましたね。何がありましたか。

征夷大将軍、征伐、征服

説明2 「征」は、「まっすぐ行く」という意味でしたが、「正しい」という意味だけに使われるようになったので、
     ぎょうにんべん (ユク)をつけてもとの「まっすぐ行く」という意味を表すようになりました。
     「整」は、束(ソク)そろえてひきしめることと動作を表す印の“ぼくつくり” でできた漢字です。これに正しいを
     つけてきちんと揃えてただすことを表しました。 

発問5 「政」に使われているは、先ほど出てきた「整」の“ぼくつくり”と同じ意味です。何を表しましたか?

動作を表す印。

発問6 「正」の一画目の「一」は、何を表しましたか? 

「征服する目標の国」でした。

発問7 漢字の成り立ちから考えると「政」を作った中国では、どのように政治を行っていたと考えられますか。

予想を発表させる。出なければ、問いかけで終わっても良い。
力で押さえつける、支配する等がでる。

発問8 今は、どのように政治が行われていますか?

話し合いで解決していく。法律を作り守る。

発問9 卑弥呼の時代には、どんな政治が行われてましたか?

でなけれな、教師側で話す。
うらない、神の声を民衆に伝える。

説明3 話し合いで解決していく方法でもない、占いでもない、武力を伴う強い権力で、人々に正しい行いをさせて
     いくという形態の政治が行われていたと考えられます。

発問10 政治の「治」には、「さんずい」があります。どこの水でしょう?ヒントは、漢字は中国で生まれました。

海、川、雨などが出るので、挙手させる。
正解は、川である。中国の大きな川2本の名称とどちらが北側にあるか、さっと復習しておく。

説明4 古代中国では、征服して民衆に言うことを聞かせる強い権力と同時に、自然災害などの被害を最小限にする
     土木建築技術が、国を治めていくのに必要なものと考えられていたのですね。


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