現在、市販されているカモシカやシカに対する忌避剤は、 それらのほとんどが林業用で、造林木に直接塗布するものが多いです。 これらの忌避剤は、匂いだけでなく、味でもイヤな思いをさせて忌避させようとするものです。したがって、野菜などの人の口に入るものの被害に対しては適していないと思います。
  また、これらの忌避剤は、雨などで流れてしまうと効果がなくなるため、 有効期間は長くて2〜3ヶ月程度です。  
  いやな匂いだけで追い払う忌避剤では、コールタールなどをしみこませた布などで追い払うという方法も試されましたが、しばらくするとなれてしまうので 効果はありません。コールタール以外にも、人間の髪の毛、化粧品、石けんなど、 いろいろなものが試されていますが、どれも似たような結果で、充分な効果は有りません。アメリカでは、オオカミやコヨーテの尿等が売られていますが、おそらく 同じようなものではないかと思います。少なくとも、日本のように雨の多い場所では、 雨で流されてしまうのではないかと思います。

 現在、農作物に対する被害防除で効果的なのは、柵を作ることだと思います。
 柵には、化繊の海苔網のようなものを用いたものがあります。これが一番安くて 設置しやすいですが、頻繁に見回りをしないと効果が低いです。
 それに対して、 金属柵や電気柵は比較的効果があります。ただし、どちらも適切に設置されないと効果は有りません。
金属柵は、カモシカであれば高さ1.5m、シカであれば2mは必要です。 また、地際からの侵入に注意する必要があります。
電気柵は、さまざまなものが 市販されていますが メーカーによって比較的効果が異なります。

防除法

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